- 現在の仕事のやりがいは?
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世の中にはたくさんの美味しいチョコレートがありますが、それらは様々な原材料や添加物を「足し算」し構築しています。私が目指したのは「引き算」で生み出す作品。「カカオ豆とサトウキビ」2つの原材料のみで、日々手作りしています。
沖縄の誇るサトウキビの本質を追求することで、私にしか実現できない作品が誕生し、その結果、製菓業界だけでなく、ミシュラン獲得店や、酒造所、国内大手菓子メーカーとのプロジェクトが生まれています。誰もが知っている原料(砂糖)の再構築により、沖縄の基幹作物であるサトウキビを活かしたお酒造りのプロジェクトを立ち上げるなど、本業であるチョコレート作り以外でもたくさんの刺激に出逢う日々を過ごしています。
自分自身の過ごす日々を「仕事」と思ったことは一度もありません。常に進化を続けるための「旅」を続けていける、そのような感覚をもてたことが私の誇りであり、やりがいでもあり、一度限りの人生を味わうことができる唯一無二の魅力だと感じています。
- テクノス時代に得たことは?
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他学科の学生と学内プロジェクトを立ち上げるなど、テクノスでの学びや経験のすべてが自分の展開するビジネスに活かされています。ビジネスだけでなく、人間関係や人生設計にとても強く、大きく影響していることは間違いありません。
様々な学科が集まる環境で、一つの専門性の探求にとどまらず、無限の可能性を秘めた将来性を実感できる学生生活を送れたことは人生の大きな宝です。
今も私は何事にも縛られず、自由に旅を続け、たくさんの業種の方々と自分が思うビジネスを構築できています。このような自由な発想を得られたのは、総合学院であるテクノスカレッジと出逢えたおかげだと強く実感しています。
- 今後のキャリアのビジョンは?
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誰もが知る「砂糖」ですが、沖縄が400年以上かけて紡いできた「黒糖」という文化は世界には広く認知されていません。黒糖文化を現代の知識や技術で再構築し、発信することが私の目標であり、その一つの手法が自社運営するTIMELESS CHOCOLATEです。
さらにチョコレートだけでなく、黒糖をベースにしたお酒造りや伝統菓子の開発など、様々な業種の方と交流を持ち企画しています。世界に「KOKUTO SUGAR」としての認知を広めることで沖縄伝統文化が守られ、現地の自然環境も整っていく。そんな質の高い循環作りを通し、世界に発信していければと考えています。
- これまでのキャリアをふまえて、学生たちにメッセージをお願いします。
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今までに「どうしたら成功しますか?」という質問をたくさん受けてきましたが、私は今も「成功」という実感はありません。
会社を経営し、誇りある賞を受賞し、自由気ままに世界を旅する私を、人々は成功者と位置付けますが、それは成功というゴールに向かう通過点にしか過ぎず、私の通ってきた道は振り返ると「失敗」しかありません。
しかし、「失敗」してもあきらめずに積み重ねた結果こそが、「成功」だと、40歳になり少しだけわかるようになりました。
「失敗は成功のもとである」
字の通りではありますが、失敗を恐れずに挑戦を続けることが最も大切だと、卒業生である私からみなさんにお伝えできれば幸いです。
また、みなさんが在籍しているのは「総合学院」です。
専門的な知識やスキルを求める個性豊かな学生が集まり、つながれる、とても貴重な場です。
人生で最も大切な「つながる」「シェアする」を学び、実践できる場でもあります。
たくさんの才能や刺激に出逢える場所であることを忘れず、自由な発想を持つことを恐れず、何でも楽しむという気持ちと共に、日々を過ごすことが大切です。
卒業してから、自分で計画した旅の中で得た「見えない宝」を形にし、私の人生で出逢えたもの・ことの本質を追求した結果を軸に創造を続けています。
そのため、みなさんが思うようなキャリアなどはありませんが、一度限りの人生で大切な事(本質)を見出し、その探求を続けられれば、好きなことを日常にし、自由な旅を続けられ、その旅路がその人だけの「キャリア=人生の道」になると、私は思います。